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クレジットカードのどこが不便なの?
皆さん、こんにちは!
先週までいたバンコクは、1年で一番暑い時期で、湿気が多く晴れていると40度くらいの体感温度です。帰国をしたら、日本の5月は改めて過ごしやすい季節だと痛感しました。
さて、ポイント好きであることが、決済をする時の決済手段の選択に少なからず影響を与えている日本人の実態について前回書きました。しかしながら、その影響を除いても、一般的には、日本人は借金をすることを基本的には好まないので、クレジットカードを使うのを避ける人がまだまだ多いと思います。
けれども、だからと言って、何に使ったかログを取るのが面倒な現金が絶対的に便利だと思っているわけではないのです。
もし、日本で発行されているクレジットカードが、利用時に利用を報せるアラートをSMSで送ることでプリペイドカードやデビットカード並みの利用管理のタイムリー性を持ち、その上で、利用履歴がリアルタイムで管理することが出来ればクレジットカードを利用する人は増えると思います。
日本のクレジットカードは、いわゆるBase2(決済)がIssuerに来るのが海外と比較をして遅く(最近の米国では翌日から2日後となっていますが、日本は早くても3日後、未だに月に1回まとめて送るアクワイアラーがいます)、そのせいかもしれませんが、利用履歴がタイムリーにリバイスされないものが大半です。
ですから、家計管理をする上でクレジットカードは、タイムリーな利用明細と利用金額の管理という点で機能的に不足しているというのも、日本のクレジットカードが便利だと思えない一因と思います。
ブランドプリペイドカードは便利
私は、かつて、グローバルスタンダードレベルのブランドプリペイドカードの発行事業を行い、実際にそのカードをどっぷり使った経験があるので、利用の都度、利用額と利用店舗名、その時点の利用可能残高をタイムリーにアラートで通知してくれて、マイアカウントにアクセスをすれば利用履歴がタイムリーに分かるプリペイドカード決済が一番便利だと思っています。
同じような思いを持っている人は意外と多いらしく(特に主婦)、そのような指向を持つ人は、日本では携帯キャリアが発行しているブランドプリペイドカードを使って家計管理をしている人もいるようです。
日本では携帯キャリアがブランドプリペイドカードを発行しています。その中でも先駆者であり、熱心に配布をしたのはau(KDDI)で、au walletとネーミングされ、今は主要なブランドプリペイドカードとしてLine Pay cardと並んでメジャーとなっています。
キャリアは、携帯料金を月に1回銀行引き落とし、又は、クレジットカード決済で徴収するので、その際にカード利用額も同時に徴収することを条件として、プリペイドカードでありながら、先にチャージをしなくてもカードを利用することが出来るサービスを提供しています。
この「後からまとめて払い」の良いところは、
1. 後から払いが出来る金額が比較的少額であり、家計管理やお小遣い管理の範疇に合致していること。
2. 事前にチャージをする手間が省けること。
3. 後から払いなので、実態はクレジットではあるけれども、クレジットカードの引き落としより定期性があり、必ず引き落とされてしまうので借金にはならないという安心感がある。
4. 借金ではないけれども、特定の日に引き落とされるので、都度現金を使うよりもむしろ使った金額が把握しやすい。
というように、日本人の感性に合ったプログラムとなっており、しかも、プリペイドカードなので使ったらすぐに利用履歴を確認できるので、家計簿代わりにもなり安心というわけです。
日本版ブランドプリペイドカード事業モデルの進化は?
携帯キャリアは、過去の携帯料金の支払い状況を鑑みて、問題がないと判断をしたユーザーに対して問題がないと判断した金額だけ後から払いを許容しているので、この事業モデルには、独自のクレジット(信用)が採用されています。
この事業モデルがキャリアにおいて効率が良いのは、チャージ拠点をコンビニや携帯ショップなどに設けるコストと、それを使って事前にチャージをするユーザーの手間を考えると、多少なりとも回収リスクがあったとしてもトータルでは、このSmall Creditの方がコスト的にもペイする(事前にチャージをせずに使えるので、使い方はクレジットカードに近いというユーザー利便性も加味して)ということだと考えられます。
当然ですが、後から払いには金利は必要ないので、ユーザーも安心して使えます。
また、リボ払いなどは出来ないので、借金にはならないという安心感もあります。
携帯キャリアという事業規模が大きい企業だからこそできる事業モデルではありますが、この事業モデルも、将来的にSIMフリーが浸透して携帯キャリアに対するロイヤリティが低下すると成立しなくなるモデルかもしれません。
この事業モデルを進化させた形を実現しようとしている企業がメルカリを筆頭日本には幾つかありますので、どこがこの事業モデルを進化させて事業を拡大させるのか要注目です。
さて、その新しい事業モデルに果敢にチャレンジしているメルカリのマザーズ市場への上場が決定しました。2018年6月19日です。
かつては公開準備をメインに仕事をしてきた公認会計士でもあるので、Fintechというこのブログのコンセプトからは些か離れますが、近々メルカリの上場時の開示資料の分析をこのブログでお伝えしたいと思っています。
To be continued