日本人は大人であれば多くの人がクレジットカードを持っているにも拘わらず、現金決済を好む複雑な背景は理解して頂けたと思います。
そんな不思議な日本人(ごく一部の人たちですが)が、世界的に得意とする投資手法があります。それは、FXです。
客観的な統計数値を探したのですが、日本クレジットカード協会というのはあっても、FXについては日本網羅的な統計数値が見つからないので、ネットでFX事業者について書かれた情報からリサーチしたところ、概ね、以下の通りです。
① FX取引をしている個人投資家の数は、日本がトップであり、その割合は50%近くにもなる。
(GMOホールディングスの個人投資家向け決算説明会資料からの抜粋です)
詳細にご興味があれば、以下をご覧ください。
https://www.gmofh.com/ir/library/pdf/presentation_20180223.pdf
② FX取引口座は、日本国内において約500万口座が開設されているが、実数としての投資家の数は25万人程度と推測される。
③ 日本証券所取引グループの最新の調査によると、株式投資を行っている日本人は約1200万人から1300万人に対して、FX取引を行っている人数は少ない。
④ しかしながら、諸外国においては、FX取引は、主に大手金融機関が大掛かりに手掛けているのに対して、個人投資家でFXを行っている人数は極めて少ないのに対して、日本では、個人投資家の存在が大きく、特に円高になる局面においては、逆張り取引をする人が多いので、結果として、円レートの過度なボラティビティのクッション材となっている。その存在の大きさは、世界の為替取引の世界では、「Mrs. Watanabe」と呼ばれるほどである。
FX取引をするかしないかはともかくとして、日本人や日本企業は概ね為替相場に敏感です。
それは、米国やユーロ圏、イギリスなどでは、自国通貨ベースで海外取引をしている割合がかなり大きいのに対して、日本企業が海外企業と取引をする場合、日本円で取引が出来る割合が相対的に低いという実態があるからだと思われます。
日本人個人が為替相場に敏感なのは、(一時期より少なくなったとは言え)海外旅行に行くと、買い物を楽しむ人が多いからだと思います。
もちろん、ヨーロッパの多くの国々の人たちも海外旅行に行きますが、現在はユーロ圏が広がっているために、欧州内であれば大抵は為替を気にしないで良く、むしろ、物価の違いの方に敏感であると聞いています。私が今年旅行を予定している北欧では、例えばフィンランドでは、フェリーで物価が安いエストニアにビールなどのアルコール類の買い出しに行くそうです。このフェリーがかなり安く、車を乗せて行けるので、ビールなどを大量に買うと元が取れてしまうそうです。
アメリカ人は、意外にも海外旅行に行く人の割合が少ないです。
アメリカ人のパスポート保有率は約36%だそうです。そして、彼らの多くが行くのは、海外と言っても隣国であるカナダとメキシコであり、結果的に米ドル以外の通貨を意識しなければならないのは、一部の政治家だけというのが実態なのかもしれません(少なくともトランプ大統領は気にしていますね)
FXも取引の対象は通貨、つまり、キャッシュです。こんなところにも日本人の現金好きが反映されているのかもしれません。
To be continued