12月の入院費用

癌の入院費用について

突然見つかった父の膵臓癌、そして人口肛門を作るための緊急手術。
手続きに奔走
前回のブログ

手術直後に主治医の先生からお聞きしたお話しからすると、父は当初の予定よりも順調に回復をしました。
そして、12月25日に一旦は退院することになるのですが(次回以降のブログで書く予定)、とにかく毎日が慌ただしく過ぎていき、お金のことは正直すべて後回しでした。

よく、がん保険のコマーシャルで、「ガンになったら300万円お支払いします」というセールストークを聞いていたので、実は100万円近くお金がかかるのかな?と思っていた私でした。
けれども、父の1回目の入院にかかった費用は私の当初の予定よりもずっとお金が掛かりませんでした。
父はたまたま、1回目の入院で抗がん剤治療や放射線治療などの標準的な癌治療は受けていませんが(⇒これは、私も父も年末年始は家で過ごすことを最優先の選択としたからです)、仮にこれらの癌治療を受けていたとしても掛かる費用にそれほど大差はなかったと思います。

改めて日本の医療保険制度の充実度を実感しました。
一方で、治療費以外には掛かる費用が意外に多くあることも知りました。
この辺りを網羅的に書いてあるブログサイトなどを見たことがなかったので、私なりにまとめてみました。

1. 入院費用

父の12月25日間の入院にかかった費用はこの請求書の通りです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

父は認定証を貰っていなかったので、請求された金額を一旦支払いましたが、高額療養費制度により、自己負担額を超えた分は後から戻ってきます。
ただし、自己負担超過分が戻ってくるのは概ね3か月後となります。ですから、もし経済的に大変であれば、予め自己負担額以上は請求されないように、加入する保険の種類によって、健康保険組合、協会けんぽ、または市役所に行くと、認定証というのを発行してくれます。この認定証はいつでも発行して貰えるので、もし不安であれば病院に掛かっていない時でも貰っておけば安心です。病気になってからだと、手続きが間に合わなくて1か月分は一旦は自己負担分を支払わなければならないということもあるからです。
認定証について
(健保組合の場合認定証の入手手続きはこちらをご参照ください。国民健康保険や後期高齢者医療保険については市町村役場の管轄部署に行けば教えてくれます)

2. アメニティ費用

入院中は、持参したパジャマを着ていらっしゃる患者さんも見かけましたが、ほとんどの人は病院で必要なだけ貸してくれるアメニティを利用している人が多かったです。父も最初は持って行ったパジャマを着ていましたが、人口肛門にしたこともあり、前を開けるのが簡単な甚平を着る方が楽だと言って、途中からそれを着ていました。病院によって価格は多少違いますが、大体これくらいになります。↓を参考にしてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3. 食費

これは、治療費請求の中に含まれていますが、食事分は保険対象外となります。
父は入院から手術後5日間は絶食をしていたので、実際に病院で食事をしたのは2週間弱くらいです。なお、入院をする時に病院はきちんと説明して、その書類を渡してくれます。ただ、入院時と入院中に渡される書類があまりにも多いので(手術1回に対して4枚か5枚くらいの承諾書にサインを求められたりもするので)、ついつい読まずに捨ててしまう人も多いかもしれません。入院の時に渡される書類一式はきちんと整理をして保存しておくことをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4. その他(患者にかかる費用)

その他、入院中、患者さんは外に出られないので、病院内のコンビニなどでしか買い物が出来ません。
ということで、(独占出来るので)病院内のコンビニは定価で物を売っていると思った方が良いです。生活必需品で緊急性がないものは、買って持ち込んだ方が良いと思います。
(父がどんなものを持ち込んだかは別の機会に書きたいと思います)
それでも、大抵の病院で必ず使うのは、テレビカードとコインランドリー利用料です。父は毎日洗濯をしていたので、コインランドリーのために100円玉を沢山用意していました。亡くなってもこの袋に入った100円玉は使えなくてそのまま取ってあります。気持ちの整理が付いたら使おうと思っています。

それ以外に、父は人口肛門にしたので、ストーマ関係費用が掛かりました。
これは医療具なので、かなり高いです。12月に支払った金額は入院費用とほぼ同じ金額でした。
年末年始なので多めに買ったことと、父が自分で取替えをしたいと言ったので、色々と便利なグッズも併せて購入したからだと思います。なお、人口肛門にした場合は障碍者申請をして障碍者認定をして貰えます。障碍者認定手続きをしてから認定が下りるまで早くても2か月、長い時は3ヶ月掛かりますが、認定が下りる前でも市町村でストーマ関係費用への補助金を出してくれます。父の場合は人口肛門と共生した期間が短かったので最初に色々買った便利グッズなどがずっと必要なのかどうか分かりませんでしたが、認定された補助金では1か月分にかかるコストを賄いきれなかったような気がします。けれども認定額は決まっており、業者さんの方がよく知っています。分からないことがあったら業者さんに聞くのが一番良いと思います。
ストーマについて
(詳細はこちらのサイトなどをご参照ください)、

5. その他(家族にかかる費用)

私は毎日病院に通いませんでした。概ね2日に1回くらいだったでしょうか…
(後で書く予定ですが)市役所での障碍者認定申請や、地域包括支援センターの看護師さんとの介護申請に関する相談など、やらなければならないことがたくさんあって、家族が少ないと、自宅療養を希望する癌末期患者の家族が毎日病院に通うのは難しいと思います。

私の父は自分で洗濯をしていたので助かりましたが、もし洗濯をしない、出来ない状態だと毎日通えないことを前提に、持ち込む下着類などは多めにした方が良いです。
患者の家族にかかる費用は、とにかく交通費です。私は幸い比較的近い病院だったのでそれほどの負担になりませんでしたが、交通の便があまり良くない病院だったので、タクシーを使うこともありました。疲れて家までタクシーで帰ったこともあり、そうなると1回6,000円くらいは掛かってしまったので、闘病期間が長いと、家族にかかる費用は治療費よりも負担が重く感じるかもしれません。

あと、これは個人的な思いですが、ぜひ家族の心身の疲れを癒す費用は一定額確保しておいた方が良いと思っています。父のように理性的に過ごせた患者であっても、患者が末期癌であると、家族は心身ともに疲弊します。私はたまに、父に、「今日はこれからマッサージに行ってくるね」と言うと、父は、「最近はマッサージも安くなったな~。行ってきなさい(#^^#)」と、笑顔で送り出してくれました。
今から思えば、具合が悪い時は多少機嫌が悪かった父ですが、娘の私の疲れが溜まっていないか気にかけていたようです。ぜひ、自分なりの癒し費用は確保してください。

(参考)診断書

意外と費用が掛かるのが、診断書作成費用です。
父が入った病院では1通6,000円掛かりました。
診断書は、障碍者申請、介護保険申請に必ず必要になります。
障碍者支援事業は都道府県、介護保険事業は市町村が担当していています。
ですから、受付窓口は各市町村役所の担当部署ですが、手続きは全く別であり、障碍者申請に必要な診断書は、診断書フォームも都道府県で決められており、診断書を書ける医師も制約がありますのでご注意ください。
介護保険申請は市町村が管轄する事業なので、市役所等の担当部署又は地域包括支援センターに相談をするのが一番です。
この辺りの手続きは、別にブログに書く予定にしています。

To be continued

 

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大学卒業後、官僚として働く。NYに遊びに行った時、ウォール街をぶらついていた時の軽い閃きから、公認会計士を目指そうと思い立ち、心機一転、電卓も使えないのに公認会計士試験の勉強を始める。 1年後無事合格するも、当時は公認会計士は大変な人余り状態、かなり苦労をして中堅監査法人に就職・・・。 しかし、仕事と上司には恵まれ、株式公開準備業務、国際部の立ち上げなど貴重な体験を経て、図らずとも独立。その後、事業会社のCFOや社外役員などを経験し、ブランドプリペイドカード発行事業を手掛けるなど、涙と笑いに包まれた経験を続ける。時々、当初の思惑と現実のギャップに日々苦闘と笑いを繰り返す毎日を過ごしている。 In English https://www.linkedin.com/in/kaoru-arai-28332370/

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