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Money20/20のトレンド
皆さん、こんにちは!!
コペンハーゲンから日本に戻るフライトがDelayとなっています。
そろそろ白いごはんが食べたいのですが・・・(-“-)
さて、3日間続いたMoney20/20 Europe@アムステルダムを終えて、エストニアと北欧を駆け足で回ってきました。
3日間、朝から晩までFintechにどっぶり浸かり、色々なお話しをお聞きしました。
最終日のKeynoteでは、今年初めて11月に開催されるMoney20/20 Chinaが熱心に紹介されていました。それに合わせて、テンセント(We Chat Pay)の幹部によるプレゼンもありました。
その前に、司会者より、「Money20/20は、各地域で開催されているが、地域によってブースを出す企業やセミナーで取り上げて欲しい内容のリクエストが随分違います」というお話がありました。
今回、ヨーロッパでは、なんと言っても圧倒的にDigital Bankingでした。
ブースの半分はDigital Bankingに関係していたような気がします。
そして、3月にシンガポールで初めて開催されたアジアでは、圧倒的に仮想通貨だったそうです。
米国では、昨年、Linkedinで、Money20/20 USは、一般向けになってしまって面白くないという意見が出ていたと聞いています。
是非はともかく、お国柄が出るものだと感心しました。
キャッシュレスは手段である
アムステルダムを後にして、エストニアと北欧を駆け足で回ってきましたが、それは結果的にとても良かったと思います。
Money20/20で普段はお話し出来ることがない国の人たちから、世間話でその国の状況をお聞きして、その足ですぐにその国に行って聞いたことを確かめるというのは、頭で感じていることを実体験できるということを意味するからです。
Money20/20でセミナーを聞いていた時も漠然と感じていましたが、実際に、エストニアや北欧に行って腹に落ちたことがありました。
『キャッシュレスは手段であって目的ではない』
ということです。
Money20/20を開催している地域によって特徴が大きく異なりますが、特に欧州は、国によってキャッシュレスの推進のアプローチが微妙に違うと感じました。
その微妙な違いは、キャッシュレスの在り方やキャッシュとどう併存するかについてやり方が違っていることと関係しているような気がしました。
特にIT先進国であるエストニアと北欧は、その目的が全く違うということを実感しました。
(エストニアのタクシーの料金表は日本以上に明快)
(キャッシュレス先進国スウェーデンでは公衆トイレの支払いもカードが使える!)
そして、キャッシュレス先進国である北欧の国々と米国では、キャッシュレスの目的は全く違う(少なくとも今の段階では)と思いました。
ということで、記憶がクリアなうちに、各国に対して感じたことをブログで書いていきたいと思います。
日本のキャッシュレスは?
振り返って、日本の状況を少し考えてみました。
欧州滞在中も、ネットで日本のニュースは確認できますので、それなりにフォローをしていましたが、日本のキャッシュレスの推進に関して、ずっと感じている違和感の本質が良く分かりました。
日本という国の、キャッシュレスを導入しなければならない目的が今一つはっきりしていないということです。
経済産業省や自由民主党が出しているレポートなどを読むと、「世界的にキャッシュレスが進んでおり、日本でも更なり訪日外国人増加に向けて、また世界のトレンドについていくためにもキャッシュレスが必要・・・・」という趣旨が目立ちます。
具体的には、日本で消費をしてくれる外国人、特に中国人の利便性を高めることと、2020年のオリンピックがその大きな要因かと思います。
けれども、「世界的なトレンド」と一言が片付けることは出来ません。
各国のキャッシュレスの推進には、その国なりのポリシーなり戦略があるからです。
「日本がキャッシュレスを進める前提となる国としての目的は何でしょうか?」
それについて、日本の行政や政治からはっきりとした強いメッセージが聞こえないような気がします。
それが、日本では、仮想通貨の売買による億り人ブームのように軽いノリのFintechや、一種の貧困ビジネスのようなFintechが幅を利かせている要因の一つではないかと感じます。
誤解をしないで欲しいのですが、私は仮想通貨の価値は認めていますし。Fintechの大きなターゲットが貧困層であることが世界的に認知されていることは理解しています。
そうではなく、国としてキャッシュレスは日本にどのような利便性をもたらすのかをマクロ視野で論じることなく、ただキャッシュレスを推進しようとしているから、いつまでも空回りしている部分があるのではないかと思ったのです。
皆さんも色々思うところはあると思いますが、私が見てきた海外の状況のレポートを通して、日本のことを考えてみたいと思います。
To be continued