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癌闘病について
『がん』と聞くと、何故か日本人は脳卒中や心臓発作と聞くより「怖い!!」と反射的に思ってしまいがちですが、高齢化の進行に伴い『がん』の発症は年々割合としては増加しています。
そして、高齢者だけではなく比較的若い人でも罹り、芸能人等ががんを発症すると治療に専念するために公表をして、そのがん治療中の状況をブログなどで発信をすることが多いので、私達が耳にする情報量が他の疾患と比較をして多いことも一因ではないかと思います。
実際に、私も父が膵臓癌(しかも末期で余命3ヶ月~6か月)と聞いて、時間が許す限りネットで情報を収集しました。
けれども、結果として、そのように収集した情報のほとんどは父の場合には参考にはなりませんでした。
そして、父のような高齢者が末期癌になった場合には、在宅医療も可能で、訪問医療と合わせて介護保険が使えるのですが、介護認定の申請のタイミングや、まずは誰にどんなことを相談するのか等々については、ネットで検索をした情報はほとんど役に立ちませんでした。というよりも、そのような情報が整理されたサイトがほとんど見つかりませんでした。
私が今回、父の2か月余りの闘病生活を振り返ってブログを書こうと思った理由の一つとして、癌闘病時には、ブログで情報発信が出来ないほど煩雑で多岐に渡る各種手続きについて、このブログを読む人の役に立つと良いなと思ったからでもあります。
ですから、これから私のブログでは、父の症状が深刻になるにつれて、訪問看護師さん、地域包括センターの担当の看護師さん、ケアマネージャー、市役所の介護認定を担当される方など色々な方が登場されると思います。
ということで、その前提となる父の癌がどのようなものだったのか、ここで一度整理をしておきたいと思います。
膵臓癌(父が罹った癌)
父が罹った癌は膵臓癌です。
決して多い癌ではありませんが少ない癌でもありません。
膵臓癌の特徴は、
① 早期発見がかなり難しい
② 仮に早期発見できたとしても5年後生存率が他の癌と比較をして芳しくない
③ 膵臓癌を早期発見するための検診というのはない
(ですから、早期で発見した方は、たまたま他の病気で精密検査をしていて見つかったとか、人間ドッグの際に癌ドッグも受けたら見つかったという方などになります)
2018年11月に体調が悪くなり、12月に緊急入院をした時には既に、癌が発生した部位から離れた臓器等に転移しており、膵臓癌自体もかなり大きくなっているステージⅣであり、いわゆる末期癌でした。
ステージⅣの場合には、基本的に根治を目指すのではなく、患者の意思を尊重しながら、可能な範囲の延命治療や緩和ケアに重点が置かれます。
父の場合はたまたま癌発見から2か月弱の闘病期間で亡くなってしまいましたが、これは膵臓癌が悪化したことが直接的な原因ではありません。
膵臓癌がステージⅣであったとしても、全身状態や年齢、癌の発生部位によっては外科手術以外でも有効な治療法が幾つかあり、数年以上存命で穏やかに生活を送っていらっしゃる方もいます。ですから、私のブログだけを読んで決して絶望に浸らないでください。
幾つか参考になるサイトをリストアップさせて頂きます。
腹膜播種
では、父が2か月弱で亡くなることとなった原因は何かというと、大腸に膵臓癌が癒着して大腸が多少破れてしまったことによる腹膜播種が主たる要因です。
大腸に溜まった便には膵臓癌と癒着した部分から癌細胞が混じってしまっていて、手術の時に、2リットルもの食塩水を使ってお腹の中を洗ってくださったのですが、腹膜播種のようにお腹に散らばった癌細胞を完全に除去するのはとても難しいことだそうです。
そして、何よりも父が主治医の先生がおっしゃった余命よりも早く亡くなったのは、恐らく2度目の緊急入院で十二指腸が腹膜播種の影響で炎症を起こして通りが悪くなって、結局物を食べて栄養を取ることが出来なくなってしまったことが原因だったのだと思います。
料理が大好きで、私に手書きのレシピを遺してくれるほど栄養には気を遣い、おせち料理まですべて自家製で作っていた父。
食べることが本当に楽しみだったのだと思います。
その楽しみが亡くなった途端に、一気に顔から覇気が消えていきました。
やはり、人の命は病気以外にも気持ちの持ち様が大きく影響するのだと痛感しました。
To be continued