イーサリアム(Ethereum)は有価証券か? -揺れる仮想通貨-

仮想通貨は通貨ではない?

皆さん、こんにちは!
ゴールデンウィーク中ということで、仮想通貨に関するニュースも日本では静かでしたが、米国時間5月1日付のWall Street Journalに掲載された記事は読んでいますか?

World’s Second Most Valuable Cryptocurrency Under Regulatory Scrutiny
Securities, commodities officials examine whether ether, other cryptocurrencies should be regulated
(ビットコインに次いで取引量が大きいイーサリアムについて、有価証券として取り扱うべきか?)

https://www.wsj.com/articles/worlds-second-most-valuable-cryptocurrency-under-regulatory-scrutiny-1525167000
(注:Wall Street Journal英語版へのリンクです)

確か、4月の復活祭の休暇の頃、Wall Street Journalのウェブサイト版の購読料が2か月で1ドルという、太っ腹なキャンペーンを行っていたので、英語力維持のために購読を申し込みました。日本語版もあるそうですが、そちらにもこの記事は掲載されているようです。

そもそも仮想通貨は何なのか?

このこの争点に関して、世界中の専門家や監督官庁が色々な意見を出しています。
日本のように、早々に既存の資金決済法に加える形で、すべての仮想通貨を対象にして取扱事業者を単一の規制ルールを適用すると決めてしまった国はむしろ珍しいのです。

その主たる理由として、一言で「Cryptocurrency」と括られていますが、その仕組みはかなり違っており、例えばRippleのように、当初より銀行間送金で使われることを想定していたものもあり、Ripple Inc.という企業が責任をもって運営開発をしています。
一方で、ビットコインのように、中央管理機関を持たない仮想通貨もあります。
またいくつかの仮想通貨は、営利企業ではなく財団が事実上の管理運営を行っているものもあります。

そうした中で、米国の監督官庁によると、イーサリアムについては、コモディティ(金や原油のような商品のこと)として取り扱うべきではなく、Securities(有価証券)として取り扱うべきだというのがこのニュースの要旨です。

 

 

 

 

 

 

イーサリアムがSecurities(有価証券)になる根拠

なぜ、有価証券であるべきかというと、Wall Street Journalによると、

Regulators have studied the role of central actors, such as Ethereum Foundation, which developed ether and oversees improvements to its software network, in driving the asset’s value. The foundation, for instance, pays “bug bounties,” which reward programmers who fix vulnerabilities in ether’s code, showing the nonprofit influences improvements that can boost the virtual currency’s value, one of the people familiar with the matter said.

要約をすると、イーサリアムについては、イーサリアム財団というイーサリアムの開発やマネジメントを行う機関があり、そのオペレーションネットワークのImprove(適切な日本語訳が難しいのですが、敢えていうとブラッシュアップ)などを行い、ボランティアでそのような活動を行ったプログラマーには報酬を与えたりしているので、財団の活動は、イーサリアム自体の価値をより高める活動がされており、それが、企業が発行している株式(有価証券)と似ているのではないか?
(この要約は本記事のすべてを読んで、引用した部分以外も参考にしています)

という理論展開になります。

仮想通貨は、①決済や送金の手段、②金や原油のようなコモディティの進化したもの(いわゆるGold2.0)、③有価証券、と分析のアプローチにより様々な捉え方をすることが出来、まだまだ成熟していません。

この仮想通貨を、電子マネーの進化版と短絡的に捉えてしまったのかどうか分かりませんが、プリペイドカードや資金移動事業者を規制対象とする資金決済法の範疇で管理監督をすると金融庁が早々に決めてしまったことが、コインチェックのNEM流出事件と無関係とは言い切れないでしょう。
https://youcanknowit-tech.com/2018/04/04/scandalous-incident%ef%bd%9estolen-cryptocurrency%ef%bd%9e/

ということで、目下、日本の金融庁は仕切り直しを迫られているのですが、少なくとも、コモディティと有価証券(Securities)の違いが全く分からないのに、仮想通貨取引に全財産をつぎ込むことは避けた方が良いようです。コモディティか有価証券かにより、取扱事業者がするべき対応も変わってきますし、買った個人の税制上の取扱いも変わってきます。

なお、本記事に対して、イーサリアム財団の発足者の一人は、「イーサリアムは有価証券ではない」と反論をしています。

https://jp.cointelegraph.com/news/ethereum-foundation-extremely-comfortable-eth-is-not-a-security-co-founder-lubin-says

To be continued

大学卒業後、官僚として働く。NYに遊びに行った時、ウォール街をぶらついていた時の軽い閃きから、公認会計士を目指そうと思い立ち、心機一転、電卓も使えないのに公認会計士試験の勉強を始める。 1年後無事合格するも、当時は公認会計士は大変な人余り状態、かなり苦労をして中堅監査法人に就職・・・。 しかし、仕事と上司には恵まれ、株式公開準備業務、国際部の立ち上げなど貴重な体験を経て、図らずとも独立。その後、事業会社のCFOや社外役員などを経験し、ブランドプリペイドカード発行事業を手掛けるなど、涙と笑いに包まれた経験を続ける。時々、当初の思惑と現実のギャップに日々苦闘と笑いを繰り返す毎日を過ごしている。 In English https://www.linkedin.com/in/kaoru-arai-28332370/

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